松澤くれは戯曲文庫010『さよなら東京、さあ座って帰ろうか。』

期間限定復刊！！

松澤くれはの戯曲が電子文庫で蘇る！
全作品に新規書き下ろし【あとがき】付き！

【あらすじ】
2014年、東京は崩壊する。

謎の災害＜リセットTOKYO＞から半年。
超のつくドーナツ化が進んだ東京は陸の孤島と化し、郊外の仮設居住群と電車だけで結ばれていた。

都会人の心を容赦なく蝕む、乗車率300％オーバーな地獄の通勤電車。
狭苦しい車内で立ちつくす人々は「座席に座りたい」という欲求を膨らませ続ける。
自分が座るためには手段を選ばない我欲が、モラルの低下・車内トラブル・傷害事件などの増加を助長。
日ごろのストレスが容易く爆発する満員電車は、いつしか＜死の血輪（リング）＞と呼ばれるまでに至った。

終焉の東京から、物語は静かに紡がれる。

どこにでもいる普通のＯＬ・佐伯ワダチ。
座席を譲ることを生業にする＜連結者＞鴉間。
２人の出会いが、運命を大きく変える。

「俺は力なき者にこそ、座って欲しいんだ」
壮絶な死闘の果てに、見えてくる東京の未来。

座席を本当に必要とする人へ――。
すべてを繋ぐため。
男たちの闘いは、静かな焔を灯しながら、電車に揺られ始める。


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